相続時精算課税制度について

相続

相続時精算課税制度という言葉を最近よく耳にしますが、どのような制度なのでしょうか…❓

その名のとおり一定額までの生前贈与については非課税とし、相続時にまとめて精算する制度です。以下、詳しく紹介していきます❕

相続時精算課税制度の概要

将来の相続財産が多い方について相続税対策の一環として活用する制度です。本来、贈与税は毎年110万円までは非課税ですが、相続時精算課税を使用すれば通算2,500万円までの財産の贈与が非課税、超える部分については一律20%で課税され、相続時に相続財産と合算して相続税の計算を行います。

適用要件

◇対象となる贈与⇒親や祖父母から子や孫への贈与。

◇贈与者⇒贈与した年の1月1日で60歳以上。

◇受贈者⇒贈与を受けた年の1月1日において20歳以上の者(令和4年4月1日以降の贈与は18歳以上のもの)で贈与者の子や孫。

◇利用する場合⇒贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日の間に贈与税の申告書を提出。

相続時精算課税制度のメリットとデメリット

以上のことを踏まえた上でメリットデメリットについて簡単に説明していきます。

メリット

◇将来値上がりしそうな財産の贈与は、相続時より課税価格が安くなる可能性がある。

◇収益物件(アパート・駐車場等)の贈与については、受贈者の財産となるため、収益については相続税の対象とならない。

◇特定の人に承継させたい財産を贈与し易くなり、相続争い防止となる。※将来、他の相続人と残りの財産について遺産分割する際に争いとなる可能性有。

◇2,500万円を超えた贈与も一律20%しか課税されない。

デメリット

◇毎年110万円まで控除される非課税枠(暦年贈与)が一生適用できなくなる。

◇金額の大きさに関わらず贈与税の申告が毎年必要となる。※暦年贈与の場合は110万円以内であれば申告不要。

◇小規模宅地等の特例が適用できなくなる。

小規模宅地等の特例について詳しく見る

◇不動産の生前贈与の場合、登録免許税や不動産取得税の負担が増える可能性有。

登録免許税について詳しく見る

相続時精算課税制度を使うべきかどうかは、保有している財産状況や相続人と被相続人の関係性によったりもするので、税理士の先生に相談されることをおすすめします。

※令和5年2月現在の情報です。

2023年2月27日相続