司法書士と他の士業について

業務全般

司法書士の先生は、他の士業の先生とのつながりが大事になってくるものなんですか…❓

もちろんです❕司法書士の資格は、他の士業の先生の業務と相性がいいため、横のつながりは大事になってきますよ。

他の士業との先生との連携は必須❓

司法書士のメインとなる業務は登記です。近年は、成年後見や債務整理、簡易裁判所での訴訟等、他の分野にで活躍されている先生もたくさんいらっしゃいますが、やはり、司法書士の業務の大半を占めるのは登記に関する手続きでしょう。

登記と一言で言っても、幅広いです。不動産の売買や相続による移転登記から、会社設立のための法人登記、近年では信託の登記等、様々な場面で司法書士が登場します。

例えば、不動産の売買による移転登記⇒宅建士(不動産屋さん)、法人の設立登記⇒税理士の先生からの紹介によるケースが多いです。また、法務局に提出する書類に、弁護士の先生や行政書士の先生が作成する書類を提出しなければならないケースもあります。以下、関わることの多い士業の先生に軽く触れていきます。

土地家屋調査士

連携業務の例

◇建物の表題登記(土地家屋調査士)⇒所有権保存登記(司法書士)

◇土地の分筆登記(土地家屋調査士)⇒共有物分割による移転登記(司法書士)

権利登記と表裏一体と言っても過言ではない表示登記のプロである土地家屋調査士の先生との連携は必須でしょう。代表的な例を挙げると、建物を新築して図面を登記できるのは土地家屋調査士の先生の独占業務ですが、住宅ローンを組んで抵当権設定登記をするには所有権保存登記が必要であり、この2つの登記は、司法書士の独占業務です。

また、名義変更する前に測量した方がいいケースもあり、その際は土地家屋調査士の先生にお願いします。

測量した方がいい場合について詳しく見る

税理士

連携業務の例

◇相続登記(司法書士)⇒相続税の申告(税理士)

◇税金対策(税理士)⇒法人設立(司法書士)

税理士の先生も土地家屋調査士の先生と並んで連携が多いです。我々司法書士は、登録免許税の計算や業務の範囲である程度の税務のご説明はできますが、プロではありません。

しかし、相続登記を依頼された際に、相続税が発生するケースがあります。我々司法書士に税務申告の代理権限はございません。相続税の申告は計算が複雑で、自身で行うより税理士の先生にお願いした方が確実なため、ご紹介させて頂くことも多いです。

行政書士

連携業務の例

◇農地法の許可(行政書士)⇒移転登記(司法書士)

◇法人設立(司法書士)⇒建設業許可(行政書士)

典型的な例として、農地を売買するには、農地法の届出や許可が必要ですが、市役所に申請する書類は、主に行政書士の先生が作成し、司法書士に申請権限は基本的にありません。

特に農地法の許可は、役所に何度も足を運んで相談にいかなければならないケースもあり、専門的な知識が必要です。そのため、司法書士の先生は、行政書士の資格を有していることも多いです。

宅地建物取引士(宅建業者)

連携業務の例

◇不動産の仲介(宅地建物取引士)⇒売買による移転登記(司法書士)

いわゆる不動産屋さんが不動産の仲介した時に必ずと言っていい程、登場するのが我々司法書士です。相性のいい不動産屋さんを見つけるのは必須だと言っても過言ではありません。

土地の取引には様々な士業の先生が関わる

土地売買のモデルケース

①不動産屋(宅建士)に仲介を依頼

②土地家屋調査士が測量⇒分筆登記申請

③行政書士が農地法の許可申請

④司法書士が所有権移転登記申請

⑤税理士が税務申告

上記は、ある程度大きな農地を分けて売買する場合の典型例です。先にご紹介した士業の先生が全て登場します。

司法書士も周辺知識を勉強するべき

以上のように、司法書士はあくまで登記業務がメインですが、他の士業の先生と関わることが多いため、スムーズな連携のために、資格試験では触れなかった様々な周辺知識を勉強すべきと私は思っています。

司法書士の職責として、国民の権利を擁護するとありますが、円滑な登記業務を行うためには、様々な提案ができた方が良いに決まっています。

もちろん、他の士業の先生の業務に抵触しない範囲で行わないといけませんので、その点注意しながら私は業務を行っています。

2023年5月21日業務全般